スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

朝鮮学校にたいする東京都のとんでもない差別扇動と抑圧を見過ごすな

東京都は朝鮮学校への補助金を2010年度には支給せず、2011年度においても予算には計上しているものの、やはりいまだ支給停止となっています。さらには、石原都知事の査定の結果、2012年度には予算にすら計上しないことにしたと、1月16日に報道されました。「高校無償化」法から朝鮮学校だけが不当にも狙いうちで排除されている状態が、同法が施行された2010年4月から現在まで続き、それが朝鮮学校へのさまざまな新しい差別と抑圧を誘発していることは、当会でもこれまでとりあげてきたとおりです。東京以外にも大阪、宮城、千葉、埼玉などでおこなわれている朝鮮学校補助金への攻撃は、高校のみならず在日朝鮮人の民族教育全体への侵害です。

都知事および都議会が朝鮮学校への補助金停止を決定したのは、2010年11月における朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国との砲撃戦を口実としてでした。この件について日本の政府やメディアは、韓国、およびその軍事同盟国であるアメリカや日本が近海におけるたびかさなる軍事演習や偵察で朝鮮を威嚇しつづけてきた事実は度外視しながら、朝鮮だけに非があるかのように一方的に言い募りました。都はそのような風潮に便乗し、朝鮮政府に政治圧力をかけるという目的から、あろうことか、この砲撃戦にまったく関係のない日本国内の朝鮮学校を圧迫する措置をとったのです。拉致問題もまた口実に挙げられていますが、そもそも朝鮮学校は事件と関係がありません。ましてや、その「解決」のために朝鮮学校にかよう生徒を人質同然に扱おうなどとは、まったくもって理屈も道理もとおらないことです。

2010年の時点では、石原は、朝鮮学校への補助金凍結を進めておきながら、凍結解除にかんする判断の責任を都議会に丸投げしました。しかし昨年末ごろから(大阪市長選での橋下の当選後ぐらいから)、石原はより積極的な朝鮮学校攻撃の姿勢を見せるようになりました。以下にとりあげるのは、昨年12月8日の都議会・本会議でなされた、右派議員・野田かずさと石原とのとんでもない質疑応答です。このやりとりは裏づけのないデマや悪質なレッテル貼りに満ちたものですが、それにもかかわらず、誰からも批判を受けないまま会議録に残されています。問題点は多岐にわたりますが、以下では三つに絞りましょう。


1. 抑圧者がどの面下げて「不当な支配」を口にするのか

上述の12月本会議で野田議員は、教育基本法第十六条の「不当な支配」を根拠に、朝鮮学校に補助金を支給すべきでないなどと論じました。その根拠として同議員が挙げているのは、朝鮮学校が「北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に取り組んでいる」ということです。

しかしながら、実際に朝鮮学園が掲げている教育方針はつぎのとおりです。「祖国と民族、同胞社会の発展のために寄与し、日本や国際社会で活躍できる人材の育成をめざします」(東京朝鮮中高級学校ウェブページ)。それを野田は悪質にも、特定の政治組織への従属として曲解するよう意図的に誘導しているのです。そもそも、一般的に外国人学校とは日本の学校とは異なる理念や方針にしたがって運営され、独自の教育内容をもつものだとすれば、朝鮮学校の方針や教育内容だけをことさらに取り沙汰すること自体が不当なのですが。

ところで、「不当な支配」が教育への政治介入(国からのであれ地方政府からのであれ)を指していることは常識です。つまり、朝鮮学校に「不当な支配」をおこなっているのは、学園の運営方針や教育内容に介入しようとしている東京都のほうです。実際、ブログ『日朝国交「正常化」と植民地支配責任』(http://kscykscy.exblog.jp/17430008/)でも指摘されているように、旧のみならず新・教育基本法においても、都道府県知事は「不当な支配」の主体たりうると、日本政府そのものが認めています。東京都の朝鮮学校への「不当な支配」をこそ、声を大にして糾弾すべきではないでしょうか。


2. 留まることを知らない「拉致問題」の政治利用

野田議員はまた同質疑で、「日本当局は拉致問題を極大化した」と朝鮮学校が教えていることを非難しました。しかしながら、拉致を口実にして、それとまったく無関係な朝鮮学校にかよう生徒たちを苦しめる、いまの都や日本政府のおこないこそ、まさに「拉致問題の極大化」すなわち政治利用にほかなりません。

それに答えて石原は、「拉致問題の解決」のために、朝鮮民主主義人民共和国に属する民族、とりわけ「日本に住んでいる人たち」に「強い意思表示」をして、「あらゆる手段を行使して北朝鮮に圧力をかけ」なければならないとしています。つまり、「拉致問題」の「解決」(どのような?)のために、しかも在日朝鮮人全体を人質として扱おうと、石原は都議会で公然と呼びかけたのです。「拉致」というお題目を掲げれば在日朝鮮人にたいして何をしても許されだろうという石原の考えかたもさることながら、そのような言辞が何の動揺も引き起こすことなく議場のなかを流通するということに、あらためて驚きと憤りを表明すべきでしょう。


3. 被害者面する加害者のすがた

上の石原の一節をあらためて引用します。

「拉致被害者の帰国を望むご家族も高齢化が進み、残された時間が刻一刻少なくなっている。これは、やっぱり国を挙げて強い意思表示をして、この理不尽な国家、あるいはそれに属する民族、しかもそれが日本に住んでいる人たちに、やはり強い意思表示をして、あらゆる手段を行使して北朝鮮に圧力をかけて、一日も早く拉致問題の解決の扉を開いていかなきゃならぬと思います。」

侵略戦争や植民地支配の責任を否定する日本人以外のアジアのあらゆる諸民族は、この一節を読んでつぎのような感想を禁じ得ないことでしょう。いくつかの単語を入れ替えるだけです。

「日本軍「慰安婦」や戦時強制動員の被害者への補償を望むご家族も高齢化が進み、残された時間が刻一刻少なくなっている。これは、やっぱり国を挙げて強い意思表示をして、この理不尽な国家、あるいはそれに属する民族、しかも自国に置かれている日本大使館に、やはり強い意思表示をして、あらゆる手段を行使して日本に圧力をかけて、一日も早く戦後補償問題の解決の扉を開いていかなきゃならぬと思います。」

***


とはいえ、ここでもやはり根本的問題となるのは、石原都政を支えている社会的土壌です。それはなにも、石原の熱心な支持者のことだけを言っているのではない(そのような輩は少なくはないがあまりに多いというわけでもない)。むしろ大半の無関心な人々こそが石原的なものを許容しているのであって、それは、石原らの朝鮮学校攻撃をまえにして「また石原か」と思うだけの人も例外ではありません。いまこそあらためて、最悪の差別主義者・歴史修正主義者・ファシストである石原および石原都政に憤りましょう。また、その憤りを意思表示しましょう。目下、当会ではそのための大衆行動を準備しているところです。


2012年1月29日 ヘイトスピーチに反対する会




※ 参考「朝鮮学校への「高校無償化」制度適用に関するQ&A」( 作成:「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)より http://www5f.biglobe.ne.jp/~wasio/QandAmusyouka.htm


Q7 北朝鮮や朝鮮総連との関係が深いのは問題ではないでしょうか?

A 朝鮮学校は戦後直後から日本各地に設立されたもので、朝鮮民主主義人民共和国が建国(1948.9.9)されるより以前からあった学校です。これは日本の植民地統治下で、民族の言語や歴史等が学べなかった子どもたちに民族的素養が備えられる教育を施そうと在日朝鮮人が自主的に学校をつくったからです。

その後、一貫して日本政府は民族教育に理解を示さず、日本の国庫からは基本的にはびた一文補助金が出ないような状態が続く一方、朝鮮民主主義人民共和国からは、1957年より教育援助費が送られてくるなどの支援が続きます。また在日本朝鮮人総聯合会は、民族団体として厳しい朝鮮学校の設立、運営に対し、組織を挙げての支援を行ってきました。そういった社会背景、歴史経緯によって、一定の関係性が形成されたのであり、これを不自然、不健全とするのは妥当ではありません。拉致問題は重大な人権侵害事件ですが、そのことを以てこういった関係性まで全否定するのは論理の飛躍ではないでしょうか。

なお最近では、韓国社会においても朝鮮学校は異国の地において朝鮮半島にルーツを持つ子どもたちに民族的アイデンティティーを育んでくれる貴重な場である、という考えが拡がっています。昨年の東日本大震災の時も有名俳優らが中心になり、被災地の朝鮮学校支援のためのチャリティーコンサートなどを何度も行っており、朝鮮学校への無償化制度適用を求める署名運動なども行われています。



スポンサーサイト
プロフィール

livingtogether

Author:livingtogether
Mail: livingtogether09 (@) gmail.com

カテゴリ
最新記事
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。