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「国難」ナショナリズムをつうじて正当化される朝鮮人差別・抑圧への反対を!(前)



3月の震災がもたらしたものは、何であって、何ではないか。

それはたしかに大災害ではあるが、ただの天災では決してない。進行中の福島原発のメルトダウン。放射能漏れと不確かな情報による農業への被害。軍事先導による救援活動がもたらしている、被災者への厳格な統制。これらはまごうことなき人災であり、その責任者は大資本と国家機関――東京電力、政府、経済産業省、防衛省、等々――にある。事態を「国難」として受け入れさせようとする論調は、この責任を覆い隠すものでしかない。この「国難」ムードに支配されそうな状況だからこそ、これらの責任者はなおさら厳しく糾弾されるべきであって、それを「非常事態」を口実に免責するなどもってのほかだ。

だがさらにつけ加えれば、それをたんに人災と呼ぶだけでもじゅうぶんではない。被災地の統制、政府・東電の責任逃れのキャンペーンに並行して、日本国民でないものへの差別と抑圧が進行しているからだ。このレベルにおいて「国難」ムードは、この国の根深い排外性――政府や企業だけではなく民衆層にも共有されている――の反映であって、しかもこの排外性じたいを覆い隠してくれるナショナルな自己欺瞞である。このきわめて排外的なナショナリズムの蔓延を、わたしたちはとくに強く批判し、それへの拒否を呼びかけたい。



4月1日が訪れ、年度が改まった。これは、在日朝鮮人に対する二種類の差別措置が確定した日付でもある。

第一の差別。民主党政権は、ちょうど一年前に施行された「高校無償化」法の適用範囲にふくまれていた専修学校(外国人学校など)から、朝鮮学校だけを「一時」排除した。これに対する抗議運動(わたしたちも参加している)と政権内や日本社会内の排外分子との綱引きのすえ、昨年11月にようやく適用への手続きがはじまった。ところがそれもつかの間、こんどは同月末の韓国と朝鮮の軍事衝突を口実に、政府は適用手続きを(実質上、超法規的に)停止する(過去記事参照  )。この停止措置は解除されていない。したがって4月1日への日付変更は、すくなくとも2010年度における朝鮮学校の排除が確定したことを意味する。

高木文科相は3月末に、震災の影響で適用手続きは進められないなどと発言していた(毎日http://mainichi.jp/life/edu/news/20110325dde041040051000c.html)。かれは同時に「年度をさかのぼっての支給」が可能かどうか検討するとも言っているが、遡及適用されようがされまいが(されるべきだが)、この公然たる差別措置が2010年度において確定したことは取り消し不可能だ。そのうえ卑劣きわまりないことに、ここでもまた天災あるいは「国難」を口実に、政府による差別の作為が正当化されているのである。

第二の差別。政府による無償化手続き停止に足並みをそろえて、都道府県での朝鮮学校への(もともと他の学校とくらべてごくわずかな)補助金さえもが相次いで――東京都、大阪府、埼玉県、千葉県などで――支給停止されていった。しかもこの場合は、初中級学校までもがターゲットにされている。

そしてこの4月1日、地震と津波の爪あと深い宮城県ですら、2011年度の朝鮮学校への支給を予算から排除した(産経http://sankei.jp.msn.com/life/news/110331/edc11033115020002-n1.htm)。この措置自体が許しがたいうえに、どうやらここでも卑劣な論理のすりかえが行われている。2010年度の補助金については、震災をふまえた「人道的な見地」から支給したとされている(ソースは産経だが)。この場合では震災を口実に、2010年度の適用があたかも特別なはからいであるかのように装われる。だが実際に「特別」なのは、2010年11月以降に宮城や他の自治体が補助金支給の凍結を決定したこと、そして、もともと2011年度の県予算にも計上されていた補助金を今回はずしたことだ。したがって、宮城県がとったこの措置は、「人道的な見地」といううわっつらな言葉とは裏腹に、朝鮮学校が排除されることがさも通常、普通、当然であるかのようなメッセージを発するものである。


【「国難」ナショナリズムをつうじて正当化される朝鮮人差別・抑圧への反対を!(後)】




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