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「制裁」の名をかりた民主党政権の侵略体制づくり――「脅威」なのは日本だ

5月26日の街宣ビラでもごく短く取り上げたように、日本はいま最悪の軍事化・侵略国家化を進めています。日本の差別・排外主義への対抗運動を試みるわたしたちは、いまの政治状況の何がどう問題であるのかを、ここできちんと捉えなおさねばならないと強く感じます。(K)


1 鳩山の「置きみやげ」をどう見るか

このかんメディアに大きく報道されてきたのは、鳩山政権が沖縄・普天間基地問題の辺野古移設案への揺りもどしでした。大手メディアはこぞって、鳩山の首相としての無能さをあげつらい、あるいは民主党vs社民党などという見世物を作りながら、沖縄への基地押しつけに対する日本(「本土」)の責任に触れない報道姿勢を一貫して維持しました。こうして欺瞞的に形成された世論のなかで、鳩山は自分の約束したことに責任をとれないオロオロとした政治家として描かれていました。

しかし、このような論調に乗っかって政権批判をすることそのものが欺瞞的、あるいはよくても不見識です。6月2日に辞任した鳩山は、しっかりと「置きみやげ」を残していきました。つまり、8ヶ月の任期のあいだに与えられた状況のなかで、かれ(ら)の真の狙いにとって最善な、あるいは少なくともかなり有利な条件が用意されてました。その真の狙いとは、日本国家主義の再編成であり、またその内実は、アジア民衆に敵対する(そのかぎりで究極的には日本の民衆にも敵対する)日本のあらたな侵略体制化です。


2 現政権にここまで好き放題に侵略体制化を進めさせてしまっていること

もとより、小沢が自衛隊のアフガン派遣に積極的であったことなど、民主党が自衛隊の正規軍化をさらに推し進めようとしてきたことは周知のとおりです。ジブチでの自衛隊海外基地建設というとんでもない計画も、民主党政権下で防衛省は着々と進めている。そして最近、沖縄報道のウラで現政権はいっきに日本の侵略体制化は先へと進められてしまいました

28 日(辺野古移設の「日米共同宣言」が出された同日)には、「北朝鮮関係船舶」の「海上での検査」(!)を可能にする「貨物検査特措法」が参議院を通過しました。また翌日には、おそらくそれと関連して、海上保安庁が「武装密輸船摘発訓練」を行いました。また、例の「韓国潜水艦沈没」をめぐっては、鳩山は「北朝鮮による魚雷攻撃が原因」というかなり疑わしい韓国政府見解を支持しています。朝鮮民主主義人民共和国に対する日中韓の「連携」強化や、国連安保理への「制裁」働きかけにも、かれは積極的でした。

北朝鮮関係船舶の検査可能に=貨物検査特措法が成立(時事通信
東京湾で海保の観閲式 テロ特殊部隊の訓練公開(日経
哨戒艦沈没 中国、制裁に慎重 日中韓 緊密連携を確認(東京

「貨物検査特措法」についても「潜水艦沈没」をめぐる動きについても、すでに問題点は明確に指摘されています。

「貨物検査特措法」は、公海上での朝鮮籍船舶への検査すら認めています。しかも前原国土相は、それを海上保安庁ではなく自衛隊の武力をもって行うことができると言い切っています。しかも、現段階ですでに、ゆくゆくは朝鮮籍船舶の検査を「特措法」ではなく「恒久的」でやっていきたいとまで言っている(media debugger「自衛隊の任務は臨検ではなく武力行使」)。公海上での軍事力を用いた船舶検査など、国を挙げての海賊行為も同然であり、また「【転載】臨検特措法の成立に強く抗議」にもあるように、戦争挑発政策に他なりません。しかもこの法案は、昨年10月の衆議院提出後「ずっと店ざらし状態」だったにもかかわらず、今年5月19日になって突然、ろくな審議もなしに衆議院で可決され、28には参院も通されたのです。

そして、このあまりに急でムチャクチャな動きを正当化しているのが、韓国「潜水艦沈没」です。これについても、「北朝鮮の魚雷攻撃」という韓国政府の一方的な主張に対して、その証拠とされているものにかなり多くの疑問がつきつけられており、「座礁や衝突」の可能性も指摘されています(「天安艦物証、因果関係はなく推測ばかり」「米国物理学教授、「天安艦は座礁か衝突で沈没」」)。「魚雷攻撃」という主張の根拠が非常に疑わしいにもかかかわらず、李明博政権が強引に朝鮮民主主義人民共和国のしわざにしようとしていることは、強く警戒せねばなりません。

しかしわたしたちは、日米両政府がこれを好機として、東アジアにおける日米の軍事プレゼンスを維持・強化する政策を急ピッチで先に進めていることをこそ、さらに声を大にして批判すべきです。その一環が、戦争挑発政策である「貨物検査特措法」の電撃的な早期可決であり、普天間基地「移設」問題の「辺野古埋立」案への回帰なのですから。また、(実際には騒がれているよりもかなり少ない可能性ですが)もし仮に魚雷説が本当だったとしても、それを日本の侵略体制化や沖縄への基地押し付けの口実にすることは、反戦・平和運動にとっては、そして反排外主義運動にとっても、決して許してはならないことです。

そしてこう理解すべきでしょう。基地移設をめぐる「日米共同宣言」も、鳩山の辞職も、「無能な鳩山」が折れたのではない。「潜水艦沈没」をめぐる情勢の変化のなかで日米両政権の利害が一致したから、鳩山は「辺野古埋立案」への後退を選んだのだと見るべきです。それで自分が辞職して済み、民主党政権も温存されるのであれば、一貫して国家主義的再編を目指していた鳩山としては、まずまずの結果なのでしょう。(このことも、すでに金光翔氏が社民党擁護論への批判のなかで指摘しています。「「福島瑞穂と社民党は頑張った」論の悪質さ」


3 為政者たちはまったくぶれていない、国家主義と侵略体制化路線において

今後の東アジア情勢・国際情勢の動きを見とおしつつ、日本の軍事的優位を維持さらには拡大することによって、政治的・経済的な日本の「国益」をも保っていくこと。鳩山個人であれ民主党全体であれ、ベースにはこのような目標しかないということは、以上の策動からはっきりと見て取れます(もちろん菅直人についても幻想をいだくべきではないでしょう)。

政権獲得直後には、民主党はある程度長期的な視野でそれを追求していたので、「東アジア共同体」などという口当たりのいいことを言いつつ、ウラでは自衛隊の役割強化を目指していた。そして今回は、より短いスパンで見通しを修正する必要が出たから、日米軍事同盟の路線を温存した。どちらにしろ民主党全体の基本路線はいわば国家第一主義であり、それを追求する方法が自民党とは多少異なるだけに過ぎません。そして、5月末まで連立政権にいた社民党も、民主党のこの路線に対して無責任ではありえないでしょう。

鳩山および民主党が日本の侵略体制化について一貫していることは、今月2日の鳩山辞任演説でも、実にあけすけに語られています。
「米国に依存し続ける安全保障をこれから50年、100年、続けていいとは思いません。そこのところもぜひ皆さん、ご理解をいただいて、だから鳩山が「何としても少しでも県外に」と思ってきた、その思いをご理解を願えればと思っています。その中に私は今回の普天間の本質が宿っている、そのように思っています。/いつか、私の時代は無理でありますが、あなた方の時代に日本の平和をもっと日本人自身でしっかりと見つめられていくことができるような、そんな環境を作ること、現在の日米の同盟の重要性は言うまでもありませんが、一方でそのことも模索をしていただきたい。」(毎日

「基地沖縄県外」が日本独自の「安全保障」を確立するという目標の一環であったことを、はっきりと鳩山は打ち明けています。これに対して、いまこそ米軍基地の沖縄押し付けをなくそう、かつ同時に、自衛隊の役割のさらなる拡大(「集団的自衛権行使」の容認)にも、それによる海外侵略の可能な戦争体制化にも反対しよう、という対抗言論を、いままでにどれほど作りえた(作りえなかった)でしょうか。鳩山が言うところの「今回の普天間の本質」とは、むしろそこにあると言えましょう。


4 反排外主義における敵対線とは

これまで大局的な政治状況を整理しましたが、これを支えているのはやはり日本社会の排外主義であることを、最後に確認します。

当然のことですが、民主党が短期間でここまで侵略体制づくりを先に進められるのは、朝鮮民主主義人民共和国に対する日本の排外主義がすでに強力に根を張っているからです。2月に民主党内右派である中井洽(ひろし)の発言が引き起こした、朝鮮学校の「高校無償化」排除にも、このことは明確に現れています。「拉致問題の解決のために朝鮮民族の教育だけを弾圧しろ」という主旨のことを、街を歩く人々の少なくともごく一部が、それをまったく悪びれずに、声を大にして主張する(この主張自体は在特会の考え方となんら変わりはない)。それが当たり前となっているこの社会は、それ自体でひとつの脅威ではないでしょうか。そして、この排外主義に乗じて(かつそれを適時あおりながら)「集団的自衛」の名のもとに自衛隊の先制攻撃を可能にしようとする日本政府こそ、東アジアの最たる脅威のひとつではないでしょうか。

普天間基地問題の文脈のなかでも、米軍基地を日本に置き続けることそのものがイラクやアフガンでの戦争への協力だと、しばしば指摘されてきました。その指摘はまったくそのとおりです。ただ、この「アメリカへの戦争協力」への批判に比べると、日本が東アジアにおける「戦争の主体」となる可能性が日に日に高まりつつあることについては、やはり批判の声が弱いと言わざるをえないように思えます。しかし、その点を強く意識しながら対抗言論を構築していかなければ、ますます進む日本の侵略体制化、社会レベルでの排外主義、駐日米軍基地の沖縄押し付け、といった同時並行的な動きをトータルに批判できないでしょう。

わたしたち「ヘイトスピーチに反対する会」は、在特会などの草の根的な排外主義団体の非道に憤ることをきっかけとして結集しました。そうした団体は各地で実害を与えていますから、これに対抗する取り組みが重要であることは言うまでもありません。しかし一方で、反在特会というだけで大同団結してはならないと考えます。第一の敵対線は、植民地主義を継続し、国家主義と侵略体制化を進める日本の国家と社会のあり方に対して引くべきです。そして、日本国家の排外主義化は、政府発表やマスコミを見ているだけでも単純に明らかです。だからわたしたちは、この流れに反対し、かつ反対することを呼びかけます。


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