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『撃論ムック』から取材依頼が来た(後)

※ まず先に『撃論ムック』から取材依頼が来た(前)をお読みください。

3.さて、『撃論ムック』それ自体の批判に戻ります。
この『撃論ムック』という雑誌は、「撃論」というタイトルからしてそうですが、なにやら自誌が「戦う」雑誌とか、秘密を「暴露」する雑誌とか、「抵抗する」雑誌とか、そういうものであるかのようなことを、端々でしきりにアピールしています。
「マスコミが絶対に伝えない「日本の真実」」、「NHKの正体」、「誰も教わらなかった日本近現代史」、「メディアが死守する戦後レジーム」、「STOP! 日本解体計画――抵抗の拠点をどこに置くのか」、等々、そういうタイトルやアオリは挙げきれません。

そして、わたしたちが批判したいのはそこです。
この雑誌はことさらに「抵抗者」「反対者」のそぶりを見せますが、実際はただの強権主義に過ぎないということを、はっきりと言っておきます。
個々の執筆者がどんな社会的立場にあるのかは(政治家であろうが、年収100万円台のフリーターであろうが)、ここでは問題ではありません。

執筆者たちのメッセージは、要するにこれに尽きます。「国家やマスメディアは、反日(とかれらに見えるもの)をきちんと抑圧せよ、何も言わせるな!」
ただ、それが実際にはそうならないから、現にある政府やメディアの反対者としてふるまっているだけに過ぎません。

政権が自民党であろうが民主党であろうが、問題があれば批判するのは当然のことです。
また、テレビ局や新聞社のようなマスメディアへの批判それ自体も、やるべきことでしょう。
だれでも情報の発信者になれる手段をもつことができる時代にもかかわらず、マスメディアは自分だけが社会に流す情報を取捨選択する権限をにぎっていると思っているのですから。
政権批判おおいによし、マスメディア批判おおいによし、です。

しかし『撃論ムック』のような雑誌による批判の先には、メディアも政府も「日本」という権威をふりまわせ、その権威によって人びとを押さえつけろ、という要求しかない
なんとみごとな体制翼賛。これを「抵抗者」や「反対派」と呼べるのでしょうか。


4.最後にもうひとつ、こういった手合いの矛盾を指摘しておきます。
この雑誌にかぎらず、最近の保守・排外主義は、「印象操作」「捏造」という言葉を多用しています。
おわかりでしょうが、NHKは台湾のドキュメンタリーで「印象操作」を行ったとか、南京大虐殺の死者数は捏造だとか、そういう具合ですね。

ですが、極論すれば「印象操作のまったく入らない純粋に客観的な情報伝達の方法なんてものはこの世に存在しません
まあこれは、どの国でも自国に都合のいいように歴史を書くのだと主張している「つくる会」系の歴史修正主義者のかたがたには、よくおわかりのことでしょう。

では、だれもが好きなように「印象操作」と「捏造」を加えた情報をたれ流してもいいのか?
そうではないでしょう。どのような「印象操作」がされているのかが、そこでは問題となるはずです。

わたしたちは、在特会が差別・排外主義を扇動していると「印象」づけていますが、だからといって、かれらが自分をそう見せようとする「抵抗者」という「印象」のほうが正しいというわけではありません。
どちらの「印象」が正しいかをめぐって、言論や運動が起こるわけで、それ以前にあらかじめ「何が正しいか」が決まっているわけではないのですから。

ただし、これだけは言えます。
あらかじめ「何が正しい印象か」を決めつけているのは、あるいは少なくとも「何が正しい印象か」を日本国家の抑圧メカニズムによりかかって決めているのは、自称「行動する保守」や、歴史修正主義者や、タカ派政治家たちであるということです。

ようやく結論です。
『撃論ムック』は「推進派vs反対派」という印象操作をおこなっています。
本質的には強権的な体制翼賛者でしかない保守・排外主義を、あたかも「抵抗者」や「反対派」であるかのように印象操作しています。
『撃論ムック』編集関係者は、自分たちが国家の抑圧機構に迎合しながら扇動しつづけている差別・排外主義を、あたかも下からの抵抗運動であるかのように演出するのをやめなさい。
自分たちの見え透いた「印象操作」を棚上げして、「推進派vs反対派」といった両論併記のそぶりを見せることをやめなさい。


以上の理由から、わたしたちは『撃論ムック』からの取材をスルーします。
ただし、この記事だけにかかわらず、当ブログから引用・転載については、まったく制限をもうけていません。


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Mail: livingtogether09 (@) gmail.com

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